LOADING...
2018. 6. 29

第五章 勇者力を持つ者、持たざる者。

ナント村 寄合所

 

ナ「相馬さん来た」

キ「さすがに市長への活動報告の会談だけあって、今日は真面目ですね」

森「えっ、ソーマ君ズルい。俺、森の人感出す為にツナギで来ちゃったよ」

サ「TPOをわきまえることも重要ですよ」

ソ「みんなお待たせ。行こうか」

サ「アカン(泣)この人、全然わきまえる気ないですやん!!」

ナ「マジか。警備員に止められへん?」

森「俺はソーマ君を信じてた」

キ「(ドキドキ)」

村長は公務の為、めちゃくちゃお忙しい方だ。

我々に与えれた時間は30分。じっとその時を待つ。

 

サ「ソーマさん、お願いだから止めて下さい…ここ市役所ですよ…」

ナ「さっき秘書課の方が笑ってはったで…」

ソ「何で誰も隣に座らないで立ってるの?勇者が聖剣持ってるの当たり前だろ」

森「ソーマ君、TPOをわきまえることも重要だよ」

ソ「TPOわきまえろっていうなら、よっぽどそっちの方が問題だろ」

森「だって俺はガテン系、森の人だし」

キ「私は人じゃありませんから」

ナ「どうすんのこれ…」

サ「絶対、市長に怒られる(泣)」

市「みなさま、お待たせ致しました。こちらへどうぞ」

この扉の向こうに、我々が生涯入ることが無い部屋があると思うと武者震いする。

そしてついに…。

 

6人「…」

 

サ「市長、本日はお忙しい中、ありがとうございます…」

ナ「我々は怪しいものではなくて、桜ヶ池クエストという活動をしてまして…」

森「わ、わたしは桜の維持と管理を行っている…も、もりの人です」

キ「私はちょっと色々あってこんなですが、普通の市民です…」

ソ「みんな静まれ。我々は五人の勇者です!」

4人「!?(やめろ…)」

私はセンムという謎の人物に導かれ聖剣と出会い、

勇者となって今日までにここにいる四人の仲間と出会い、

明日から本気だして、桜ヶ池のサクラを蘇らせるべく冒険の旅へ出る旨を伝えた。

ナ「…(きっと呆れてはる)」

森「…(ふざけてると思われてる)」

キ「…(怒られる?)」

サ「市長!ご無礼をお許しください。我々は本当は真面目に活動を…」

田「市長ではない!!!!」

4人「えっ!?」

田「私はナント村の村長、名はミキ王。勇者よ。よくぞ参られた」

4人「!?(まさかの設定に乗って下さっている…)」

ソ「ご理解が早くて助かります。どうも常識に捉われた人間が多くて困ります」

田「まったくだ、勇者よ。冒険の旅は長く険しいだろうが最後までやり通して欲しい」

ソ「はい。我が勇者力をもってすれば、現代社会の荒波を越えていけると信じております」

田「勇者力…すばらしい言葉だ。ソーマよ、桜ヶ池を救うのだ!」

ソ「はっ。王のお言葉、しかと胸に刻みました」

 

村長ミキ王と見習い勇者ソーマは ダチに なった

 

田「旅路の無事を願っているよ。今日という日を忘れぬよう、聖剣と共に祈ろう」

ソ「ミキ王、どうか聖剣をお手に」

こうして、のちに「伝説のはじまり」と呼ばれることになる歴史的な1日は幕を閉じた。

 

次回

イナミのシムラーから緊急連絡。

ギルド証のデザイン発注を完全に忘れていた勇者はこのピンチを乗り切れるのか。